4)プロジェクトの成果と今後の展開
当開発における実証実験ならびに委員会会議を経て、
- 電子書籍交換フォーマット仕様書(ver.1.0)
- 電子書籍交換フォーマット検証用変換ツール
- 当実証実験における報告書
以上が成果として挙がった。
今後の成果展開について
当プロジェクトによって確立された電子書籍交換フォーマットにより、特定の端末に依存しない、コンテンツの長期的な利用を可能にする。コンテンツ普及と端末普及との相乗効果により、電子出版物の蓄積及び利活用が促進され、市場が拡大される。また、国際標準に、我が国で開発した電子書籍交換フォーマットを反映させることで、政府調達でも、同フォーマットやそれに基づいた電子出版物を利活用することができる。このような成果展開のためには、プロジェクト終了後も、各方面との協力や協議を行いつつ、環境整備、普及・標準化活動が必要となることが見込まれる。引き続き、各方面のご助力およびご指導を求めていきたい。
交換フォーマットロードマップ
時期 | 交換フォーマット | ツールなど | 実証・普及 |
---|---|---|---|
2010年度 | •.book/XMDFの機能を包含 •日本語ミニマムセット(≒両者共通部分)を定義 |
•TTX⇔交換F変換 •XMDF記述F⇔交換F変換 •EPUB2.0変換テーブル |
•検証目的の変換ツール。 •テキスト機能を主に実証。 |
2011年度前半 | •日本語表現対応最終版仕様 | •TTX⇔XMDFを交換Fを通じて実現。 •どちらかにない機能については、ログ/メッセージを出すか適切なものは代替機能に置き変える。 |
•ビジネスに向けた、変換ツールのブラッシュアップ。 |
2011年度後半 | •国際標準に向けた(拡張)仕様案 •国際標準化活動 |
•3rd パーティからツール供給開始(交換Fオーサリングツール、他フォーマットへの変換など) | •商用コンテンツを交換Fで蓄積 |
2012年度〜 | •交換F用ツールが普及 |
※現時点の予定であり、今後状況に応じて見直すことがあります。
成果展開
成果物 | 概要 |
---|---|
電子書籍フォーマットの現状調査報告 | 電子書籍フォーマットの国内外の状況や、電子書籍の利用環境を調査する。 |
電子書籍交換フォーマット | 従来の電子書籍フォーマット(TTX,XMDF記述フォーマット)の機能を包含し、コンテンツの長期利用に適したXMLフォーマット |
電子書籍交換フォーマット仕様書 | 上記フォーマットの仕様書 |
検証用変換ツール | 従来の電子書籍フォーマット(TTX,XMDF記述フォーマット) 上記電子書籍交換フォーマットとの間の双方向変換ツール |
検証結果 | 上記変換ツールを用いた実証結果。 コンテンツ提供者/サービス提供者の側での利用可能性の実証結果。 |
国際標準化提案の準備 | IEC TC100において、国際標準化の提案を進められるよう準備する。 |