7)電子書籍交換フォーマット Q&A

電子書籍や交換フォーマットに関するQ&Aを集めました。

Q1. 『電子書籍交換フォーマット(ebformat)』とは、どのようなものですか?

A1. これまで蓄積された20万冊とも言われる日本語電子書籍は、いくつかのフォーマットにて作られています。ある特定のフォーマットで作成した場合、別のフォーマットに変換するためには作り直す必要がありました。交換フォーマットとは、異なるフォーマット間でのデータの変換を容易にするために用意されたものです。これまでボイジャーのドットブックとシャープのXMDFによって制作された日本語電子書籍が数多く存在しているため、主にその両者の機能を中心に設計されていますが、その他のフォーマットへの変換も考慮された仕様になっています。

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Q2. フォーマットについて教えてください。

A2. フォーマットという言葉には、複数の意味で使われることがあり、電子書籍に限定しても、主として配信・販売用のデータ形式をさす場合と、そのデータを記述するための書式の取り決めを指す場合があります。「電子書籍交換フォーマット」で使われている「フォーマット」という言葉は後者の意味で、データの記述方法の取り決めです。

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Q3. 電子書籍には、どのようなフォーマットがあるのでしょうか?

A3. ここでは「データの記述方法の取り決め」について回答します。簡単なもの、たとえば、見出し、改行、文字の位置揃え、余白・間隔、文字の見え方(書体、文字サイズ、文字色、下線)、インライングラフィック、ハイパーリンクなどはWebページ等でも使われていますが、それ以外にも、縦書き、ルビ、圏点、縦中横、改頁、禁則処理などが指定できるようになっています。

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Q4. 『電子書籍交換フォーマット』を作り出す理由を教えてください。

A4. 多くの日本語電子書籍で使われているXMDFとドットブックは、それぞれ違う会社が作ったフォーマットなので、共通な部分もありますが、そうでない部分もあります。
これはいい悪いではなく、利用分野の違いによるものです。
しかし最近、電子書籍の利活用が促進される中、利用分野も広がり、重なる部分も増えてきました。
このため両社のフォーマットを包含して利活用できる新しい決め事が求められてきたためです。

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Q5. どのようなフォーマットをもとに、作られているのでしょうか?

A5. 電子書籍交換フォーマット自体は、XMDFでもドットブックでもありません。両フォーマットの機能を整理した上で、日本語を従来とおり表現できるようにした新しい「決め事」です。
具体的には、XHTMLとCSSをベースとし、日本語書籍に必要な機能を拡張したフォーマットです。

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Q6. 様々な端末に対応できるフォーマットなのでしょうか?

A6. 電子書籍交換フォーマットはビューアのフォーマットではありません。
改行は「return」とするという決め事です。「return」があったらモニタ上の文字列を改行して表示するのはビューアの役目です。いろいろな端末上での表示を担うのはビューアの役目ですから、ビューアを交換フォーマットに対応させれば、問題なく表示できます。

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Q7. 端末ごとにビューアが必要なのでしょうか?

A7. 端末は販売するメーカー様が、それぞれの特色を活かして魅力的と思われるものを市場に提供しています。ですから、おのずと端末毎に違いがあります。結果、ビューアも端末(もしくは搭載OS)毎に作られる必要が出てきます。メーカーが違っても端末が同じならビューアも1つでよいでしょう。

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Q8. EPUBとの違いを教えてください。

A8. EPUB2は、基本的にはWebの表示をパッケージングしたものなので、日本語に特徴的な機能を表現することができませんでした。2011年5月に発表が予定されているEPUB3では、マルチリンガル対応のため、日本語の、縦書き、ルビ、圏点、縦中横等への対応もはかられています。しかしEPUBはあくまでも配信用のフォーマットであるため、これまでに蓄積されてきた日本語電子書籍の表現が網羅されている訳ではないので、EPUBにした時点で情報が欠落します。交換フォーマットは、配信を目的とせず、交換を目的としているので、保存のためのフォーマットとして適しています。

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Q9. 電子書籍交換フォーマットはEPUBに対応するのでしょうか?

A9. 現時点では、まだEPUB3は策定中のため、この交換フォーマットには盛り込まれていません。しかし、EPUB3で各種表現を実現するためのCSS3については、交換フォーマットに最大限反映させているので、交換フォーマットからEPUB3への変換は、比較的容易に行うことが可能です。

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Q10. 読者にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

A10. フォーマットが整理されることで、出版社、制作会社、販売会社の負担が減り、結果的に豊富でリーズナブルな価格の電子書籍が増えて来ると想像されます。
昔、ベータとVHSというフォーマットの競い合いがありましたが、1つになってから録画機が高性能で安くなったり、レンタル市場が盛り上がったりしました。今回も似たような経済効果が期待されています。

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Q11. 日本語フォーマットの国際標準化を目指す必要性を教えてください。

A11. 国際標準として提案する際には、他の言語のニーズも考慮して、必要に応じて拡張されたものが提案されます。いずれにしろ、このあたりは今後皆さんのご意見を受けて進めていくことになります。

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Q12. 具体的な使い方を教えてください。

A12. 交換フォーマットの仕様は公開されますが、オーサリングツール等の制作環境は、今後の普及によるものなので、しばらくは直接交換フォーマットで制作するのは難しいでしょう。しかし交換フォーマットの存在により、TTXあるいはXMDFで制作したものを変換することもできますので、既にTTXあるいはXMDFの制作経験がある場合には、交換することを意識して、そのままの方法で継続するのがいいでしょう。将来的には、InDesignからいったん交換フォーマットに出力し、そこからTTX、XMDFに変換するといったワークフローの実現も期待されます。

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Q13. 仕様を教えてください。

A13. 仕様書はダウンロードページにて公開中です。

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Q14. 『電子書籍交換フォーマット』の利用に、ライセンス費用は発生するのでしょうか?

A14. 不要です。このフォーマットでコンテンツを作成したり、そこから他のフォーマットに変換して配信するのも自由で、誰かに許諾をとったり、申請する必要はありません。

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Q15. 電子書籍を無料で製作することが可能になるのでしょうか?

A15. 電子書籍が読者の手元に届くまでには、2つのフォーマットが必要と思われます。今回策定している「交換フォーマット」は、「文章を表示するためのフォーマット」であり、これ以外に、それを読者に届けるための「配信用フォーマット」が必要です。
たとえば交換フォーマットを使ってデータを作成しても、それは配信用ではないソースファイルですので、配信するためのフォーマットに変換する必要があると思われますし、それには費用がかかるかもしれません。PDFやEPUBに変換した場合でも、無料で配布するのでなければ、販売するためにDRM処理するための費用はどこかで発生すると思われます。

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Q16. オープン・アンド・フリーで、どのような経済効果が見込まれるのでしょうか?

A16. 電子書籍に関連する、出版社、制作会社、書店、読者、さらには一個人も含む新規参入をご検討の方々、すべてにメリットがあると想定されます。
出版社は電子書籍制作がよりスピーディーに行え多くの作品を提供できる、メーカーは対応端末の開発が容易になり個性ある機器を豊富に提供できる、著者は電子書籍市場の活性化で作品提供の機会が増える、などが期待されます。
その結果、読者においては、今までに制作された20万点以上と言われる電子書籍に加え豊富な新刊(電子書籍)を、多彩な閲覧用端末から自由に選べるようになり、電子書籍という読書環境が誰にとっても身近なものになります。
さらにオープンでフリーであることから、電子書籍出版を希望する一個人に対しても、制作費や参入機会のハードルが大きく下がることと予想されます。

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