一般社団法人 日本電子書籍出版社協会 The Electronic Book Publishers Association of Japan

ご挨拶

本日は、お忙しいなか、たくさんの方々にお集まりいただき、誠にありがとうございます。先ほど午後4時から開催されました第1回理事会、社員総会を経て、日本電子書籍出版社協会・代表理事に選出いただいた講談社の野間省伸でございます。
本日、出版社31社を社員として、正式に日本電子書籍出版社協会(略称・電書協) がスタートする運びとなりました。昨年から電子書籍市場が世界的に大きな動きを見せているなかで、健全な事業の発展のために、そして現在かかえる課題を解決していくために、任意団体であった電子文庫出版社会を一般社団法人として立ち上げ、組織を拡大していくことになりました。
日本の出版界においては、これまでも出版のデジタル分野での可能性を追求してまいりましたが、今日以降、新たな一歩を踏み出すことになります。
今後、新たに拡大する電子書籍市場が日本の出版界にもたらす大きな影響は、決して無視できるものではありません。かといって、いたずらに悲観すべき材料でもありません。目まぐるしい動きが伝えられるなかで、私は次の3つの理念を柱に、日本の出版にたずさわる皆さまとともに、出版のデジタル化・電子書籍市場に積極的な取り組みをしていきたいと考えております。
ひとつは、「著作者の利益・権利を確保すること」、そしてもうひとつは「読者の利便性に資すること」。そして3番目に「紙とデジタルとの連動・共存」です。
日本の出版界に電子書籍やデジタル化の波が押し寄せてきても、「紙か電子か」のゼロサムで考える必要はないものと考えます。すぐれたコンテンツを読者に、そして市場に提供する手段が増えることは、むしろ望ましいことでもあります。作家、漫画家、その卵を見つけ出し育成しさらに投資する――いわば才能の拡大再生産こそが出版社の役割です。その役割は、紙に電子が加わってもなんら変わることはありません。新たに形成される電子書籍市場を健全なものとすべく、日本電子書籍出版社協会は努めてまいります。
すでに報じられている電子書籍市場に係わる「総務省・文科省・経産省の三省懇談会」のメンバーに、私も名を連ねております。その場においても、官民の役割分担のあるべき姿など、主張すべきことを主張し、日本の出版界における文化の多様性を確保していきたいと考えています。
皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

代表理事・野間省伸

(平成22年3月24日「一般社団法人日本電子書籍出版社協会」設立総会記者会見より)
 

なお「日本電子書籍出版社協会」の前身である『電子文庫出版社会』は、電子書籍販売サイト「電子文庫パブリ」を運営して参りました。このサイトを「日本電子書籍出版社協会」でも継続して運営することにより、自ら配信当事者としても、電子書籍のあるべき姿について、探究していく所存であります。